百合カプなれそめ物語~アキヒナ×ビワ⑦~

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~前回までのあらすじ~

休日、サンセコイアへ出かけたアキヒナとビワ。

懐かしい夢の話に花が咲き、ついにビワが自分の気持ちを打ち明ける。

その時、男子生徒の話になるとアキヒナは……。

「実はそのことなんだけど、あいつとは…」

「嫌、聞きたくない!」

「!?」

「待って!」

「なんで逃げるの~!?」

「ビワ!」

「待ってってば。私の話を聞いて!」

「どうして逃げるのさ」

「どうしてって……」

「アーちゃんはあの男の子が好きなんでしょ!?話なんて聞きたくないよ!」

「え?」

「誰よりも一緒にいて、アーちゃんを世界で一番分かってるのは私なんだよ!?」

「ちょ、ちょっと……」

「それなのに、どうしてほかの子を好きになるの!?」

「一旦冷静に……」

「なんで私じゃないの!?なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんで!」

「ビワ、落ち着い……」

「告白するつもりなんてなかった!ただ一緒にいられるだけで幸せだったのに!」

「……」

「アーちゃんが男の子と楽しそうにするからいけないんだよ!!」

「あーもう!!」

「っ…」

「聞いて」

「あいつが好きなのは――」

「……え?」

「中学に入学してすぐ、あいつに相談されたんだ」

「シバ、ちょっと相談があるんだけど時間いいか?」

「いいよ」

「シバって、イワイ先輩と仲良いよな?」

「うん。幼馴染だからね」

「頼む!先輩に俺を紹介してくれ!」

「え?」

「俺、イワイ先輩が好きなんだ!でも声かけづらくて、なかなかアタックできねえ!」

「でもなー」

「お願いだ!せめて先輩の情報だけでも教えてくれよ!誕生日とか好きな男のタイプとか!」

「あー分かった分かった。それとなく聞いてみるよ」

「ホント!?」

「あまり期待しないでね」

「サンキュー!お前まじでいい奴だな!」

「へー先輩って料理できるんだ!めっちゃタイプなんだけど!」

「よく2人でごはん作ってるよ」

「それでビワの趣味とか好きな食べ物とか、いろいろ教えたんだ」

「じゃ、じゃあ私が放課後に見たのは、ただの情報提供……」

「どうして私なんか……アーちゃん以外の後輩と関わったことないのに」

「ビワって結構人気だよ。大人っぽい美人な先輩だって、気になってる男子もほかにいる」

「私なんて全然大人っぽくないよ」

「そうだね。頑固で怒りん坊で人の話を聞かない。聞き分けのない子供そのもの」

「そ、そこまで言う?」

「でも、そんなビワの相手が務まるのは――」

「私しかいない」

⑧へ続く……

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