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~前回までのあらすじ~
休日、サンセコイアへ出かけたアキヒナとビワ。
懐かしい夢の話に花が咲き、ついにビワが自分の気持ちを打ち明ける。
その時、男子生徒の話になるとアキヒナは……。
「実はそのことなんだけど、あいつとは…」
「嫌、聞きたくない!」
「!?」
「待って!」
「なんで逃げるの~!?」
「ビワ!」
「待ってってば。私の話を聞いて!」
「どうして逃げるのさ」
「どうしてって……」
「アーちゃんはあの男の子が好きなんでしょ!?話なんて聞きたくないよ!」
「え?」
「誰よりも一緒にいて、アーちゃんを世界で一番分かってるのは私なんだよ!?」
「ちょ、ちょっと……」
「それなのに、どうしてほかの子を好きになるの!?」
「一旦冷静に……」
「なんで私じゃないの!?なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんで!」
「ビワ、落ち着い……」
「告白するつもりなんてなかった!ただ一緒にいられるだけで幸せだったのに!」
「……」
「アーちゃんが男の子と楽しそうにするからいけないんだよ!!」
「あーもう!!」
「っ…」
「聞いて」
「あいつが好きなのは――」
「……え?」
「中学に入学してすぐ、あいつに相談されたんだ」
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「シバ、ちょっと相談があるんだけど時間いいか?」
「いいよ」
「シバって、イワイ先輩と仲良いよな?」
「うん。幼馴染だからね」
「頼む!先輩に俺を紹介してくれ!」
「え?」
「俺、イワイ先輩が好きなんだ!でも声かけづらくて、なかなかアタックできねえ!」
「でもなー」
「お願いだ!せめて先輩の情報だけでも教えてくれよ!誕生日とか好きな男のタイプとか!」
「あー分かった分かった。それとなく聞いてみるよ」
「ホント!?」
「あまり期待しないでね」
「サンキュー!お前まじでいい奴だな!」
「へー先輩って料理できるんだ!めっちゃタイプなんだけど!」
「よく2人でごはん作ってるよ」
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「それでビワの趣味とか好きな食べ物とか、いろいろ教えたんだ」
「じゃ、じゃあ私が放課後に見たのは、ただの情報提供……」
「どうして私なんか……アーちゃん以外の後輩と関わったことないのに」
「ビワって結構人気だよ。大人っぽい美人な先輩だって、気になってる男子もほかにいる」
「私なんて全然大人っぽくないよ」
「そうだね。頑固で怒りん坊で人の話を聞かない。聞き分けのない子供そのもの」
「そ、そこまで言う?」
「でも、そんなビワの相手が務まるのは――」
「私しかいない」
⑧へ続く……
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