百合カプなれそめ物語~アキヒナ×ビワ④~

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~前回までのあらすじ~

激しい嫉妬心に駆られたビワはアキヒナを部屋に連れ込み、男子生徒への警戒を促す。

だが友達の悪口を言われたアキヒナは気分を害し、ビワの言動を強く非難してしまう。

結局、2人は口論したまま別れることとなり、それぞれの家へ帰っていった。

そして暗い部屋で1人、ビワはある決断をする。

「一緒に遊ぶ?」

(……今のは夢か)

「まぶしい」

「おはよう、ヒナ」

「お父さん、おはよう」

「……あれ? 今日は学校休みなのか」

「うん」

「寝坊なんて珍しいわね」

「……こういう日もあるの」

「夜更かしはよくないぞ。もしかして学校の悩みとかあるのか?」

「そういえば昨日も帰ってきたとき顔色が悪かったわね。ビワちゃんと何か……」

「何でもない」

「ジョギングしてくる」

「気をつけてな。ちゃんと水分補給するんだぞ」

「分かってるよ」

「ハア、ハア」

(ビワ、どうしちゃったんだろ)

(あんな顔見たの初めてだ……)

(いつも優しくて、怒ったことなんて一度もなかったのに)

「このままじゃ、ダメだよね」

「ちゃんと仲直りしよう」

「よう!シバ!」

「えっ、どうしてここに…」

「たまたま近くを通りかかったんだ!」

「そうなんだ……」

「元気ないじゃん。やなことでもあった? 俺でよければ相談に乗るよ」

「いや大丈夫」

「ん~ほんとか~?」

「遠慮すんなよ!俺らの仲だろ~!」

「ハハ、相変わらず元気だね」

「喋ってたら元気でた。ありがとう」

「そうか!それなら良かったよ。じゃあまた学校でな!」

「アーちゃん……」

「ちょっと、いいかな?」

「昨日は怒鳴ってごめんなさい」

「私もアーちゃんに強く言い過ぎた。ごめん」

「日課のジョギングしてきたの?」

「うん。あっお母さんからメールきてる……」

「ごめん。ちょっと返事だけするね」

「え?」

「え……え? ビワ、どうしたの?」

「私の家の前で、あの男の子とお喋りするの楽しかった?」

「!?」

「やっぱり付き合ってるんでしょ。どうして隠すのかな?」

「いや、あいつとはたまたま会っただけで……」

「ウソばっかり」

「アーちゃん、小さい頃は素直で良い子だったのに――」

「いつから私に隠し事をする悪い子になったの?」

「ビワ……さっきから怖いよ」

「私の目を見て」

「どうして怖がるの? 男の子といる時は笑ってたじゃない」

「ねえ、どうして?」

「私とあの子、どっちが好き?」

「好きって……あいつは……」

「フフ、いい匂い」

「……っ」

「知ってる? その人の匂いが好きだったら遺伝子レベルで相性が良いんだって」

「急に何の話?さっきから……最近ずっと変だよ!」

「そう、変なの」

「アーちゃんのことを考えると頭が変になる」

「誰にも奪われたくない。他の子と仲良くしないでほしい」

「どうすればアーちゃんが私から離れていかないか。そればっかり考えてた」

「それで、分かったの」

「アーちゃんを私のものにすればいいんだよ」

⑤へ続く…

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