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~前回までのあらすじ~
激しい嫉妬心に駆られたビワはアキヒナを部屋に連れ込み、男子生徒への警戒を促す。
だが友達の悪口を言われたアキヒナは気分を害し、ビワの言動を強く非難してしまう。
結局、2人は口論したまま別れることとなり、それぞれの家へ帰っていった。
そして暗い部屋で1人、ビワはある決断をする。
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「一緒に遊ぶ?」
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(……今のは夢か)
「まぶしい」
「おはよう、ヒナ」
「お父さん、おはよう」
「……あれ? 今日は学校休みなのか」
「うん」
「寝坊なんて珍しいわね」
「……こういう日もあるの」
「夜更かしはよくないぞ。もしかして学校の悩みとかあるのか?」
「そういえば昨日も帰ってきたとき顔色が悪かったわね。ビワちゃんと何か……」
「何でもない」
「ジョギングしてくる」
「気をつけてな。ちゃんと水分補給するんだぞ」
「分かってるよ」
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「ハア、ハア」
(ビワ、どうしちゃったんだろ)
(あんな顔見たの初めてだ……)
(いつも優しくて、怒ったことなんて一度もなかったのに)
「このままじゃ、ダメだよね」
「ちゃんと仲直りしよう」
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「よう!シバ!」
「えっ、どうしてここに…」
「たまたま近くを通りかかったんだ!」
「そうなんだ……」
「元気ないじゃん。やなことでもあった? 俺でよければ相談に乗るよ」
「いや大丈夫」
「ん~ほんとか~?」
「遠慮すんなよ!俺らの仲だろ~!」
「ハハ、相変わらず元気だね」
「喋ってたら元気でた。ありがとう」
「そうか!それなら良かったよ。じゃあまた学校でな!」
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「アーちゃん……」
「ちょっと、いいかな?」
「昨日は怒鳴ってごめんなさい」
「私もアーちゃんに強く言い過ぎた。ごめん」
「日課のジョギングしてきたの?」
「うん。あっお母さんからメールきてる……」
「ごめん。ちょっと返事だけするね」
「え?」
「え……え? ビワ、どうしたの?」
「私の家の前で、あの男の子とお喋りするの楽しかった?」
「!?」
「やっぱり付き合ってるんでしょ。どうして隠すのかな?」
「いや、あいつとはたまたま会っただけで……」
!
「ウソばっかり」
「アーちゃん、小さい頃は素直で良い子だったのに――」
「いつから私に隠し事をする悪い子になったの?」
「ビワ……さっきから怖いよ」
「私の目を見て」
「どうして怖がるの? 男の子といる時は笑ってたじゃない」
「ねえ、どうして?」
「私とあの子、どっちが好き?」
「好きって……あいつは……」
「フフ、いい匂い」
「……っ」
「知ってる? その人の匂いが好きだったら遺伝子レベルで相性が良いんだって」
「急に何の話?さっきから……最近ずっと変だよ!」
「そう、変なの」
「アーちゃんのことを考えると頭が変になる」
「誰にも奪われたくない。他の子と仲良くしないでほしい」
「どうすればアーちゃんが私から離れていかないか。そればっかり考えてた」
「それで、分かったの」
「アーちゃんを私のものにすればいいんだよ」
⑤へ続く…
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