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~前回までのあらすじ~
ビワと口論したまま休日を迎えるアキヒナ。
鬱屈した気持ちを消そうとジョギングしているうちに、このままではいけないと思い直す。
だがビワの家へ向かう途中、偶然通りかかった男子生徒と出会い、お喋りを始めた。
彼と別れたアキヒナはビワの部屋に招かれ、仲直りをするが彼女に押し倒されてしまう。
「~♪」
「お母さん」
「あらビワ。どうしたの?」
「部屋にアーちゃんがいるんだけど、泊まっていいよね?」
「もちろんいいわよ。じゃあヒバリに連絡しないと」
「おばさんには私が伝えた。あとアーちゃん、ジョギングして疲れたからもう休むって」
「あらあら。あの子、運動大好きだもんね」
「だからこっちは気にしないで。おなか空いたら自分たちで作って片付けるから」
「そう?冷蔵庫のものは好きに使っていいからね」
「ありがとう、お母さん」
「あ、お父さん」
「モモちゃん、おなか空いたよ~ごはんまだ~?」
「ユズ君、火使ってるから抱き着かないで。大人しく座ってなさい」
「え~んモモちゃん冷たい~でも好き~~」
「はいはい」
「お母さん泊まっていいって。まあいつもお泊まりしてるから慣れてるか」
「大人しいんだね」
「おなか空いてない?何か飲む?」
「食欲ない……」
「あったかい。子供体温だね」
「汗かいてるからくっつかないで」
「そうだね。風邪引いたら大変。先にお風呂入っていいよ」
「……うん」
(いつからおかしくなったんだろう?)
(小学校の頃は一度もケンカなんてしなかったのに、最近になってビワは怒り始めた)
(きっかけがあるはず。ビワは怒った時、何て言ってた?)
「男の子に対して警戒心薄くない?」
「こっちの気持ちも知らないくせに、私以外の子と仲良くしないでよ!」
(あの時からぎくしゃくし始めたんだ。それに私が男子と仲良くすると決まってビワの顔が怖くなる)
(……キスしちゃったな)
(でも……)
「お風呂ありがとう」
「逃げないんだね。隣に自分の家があるのに」
「逃げる理由がないからね」
「こっちおいで、アーちゃん」
「明日も明後日も、ずーっと一緒にいようね」
「アーちゃんは私だけのもの」
(何とかしなきゃ)
(この問題を解決できるのは私しかいない)
⑥へ続く……
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